+パッチにコメントする機会を持っていたが、その時にコメントしなかった人がいれば、
+その人を指す「Cc:」タグを任意で追加してもかまいません。これは指定された人からの
+明確なアクションなしに付与できる唯一のタグです。
+このタグはパッチに関心があると思われる人達がそのパッチの議論に含まれていたこと
+を明文化します。
+
+14) Reported-by と Tested-by: と Reviewed-by: の利用
+
+他の誰かによって報告された問題を修正するパッチであれば、問題報告者という寄与を
+クレジットするために、Reported-by: タグを追加することを検討してください。
+こまめにバグ報告者をクレジットしていくことで、うまくいけばその人たちが将来再び
+コミュニティの力となってくれるでしょう。
+ただし、報告者の許可無くこのタグを追加しないように注意してください。特に、
+問題が公の場で報告されていなかったのであれば。
+
+Tested-by: タグはタグで指定された人によって(ある環境下で)パッチのテストに成功
+していることを示します。このタグはメンテナにテストが実施済みであることを
+知らせ、将来の関連パッチのテスト協力者を見つける方法を提供し、テスト実施者に
+対するクレジットを保証します。
+
+Reviewed-by: タグは、それとは異なり、下記のレビューア宣言の下にレビューされ、
+受け入れ可能とみなされたパッチであることを示します。
+
+ レビューアによる監督宣言
+
+ 私は Reviewed-by: タグを提示することによって、以下のことを明言する。
+
+ (a) 私はメインラインカーネルへの統合に向け、その妥当性及び「即応性
+ (訳注)」を検証し、技術的側面からパッチをレビュー済みである。
+
+ 訳注:
+ 「即応性」の原文は "readiness"。
+ パッチが十分な品質を持っており、メインラインカーネルへの統合を即座に
+ 行うことができる状態であるかどうかを "readiness" という単語で表現
+ している。
+
+ (b) パッチに関するあらゆる問題、懸念、あるいは、疑問は投稿者へ伝達済み
+ である。私はそれらのコメントに対する投稿者の返答に満足している。
+
+ (c) 投稿に伴い改良されるコードがある一方で、現時点で、私は(1)それが
+ カーネルにとって価値のある変更であること、そして、(2)統合に際して
+ 議論になり得るような問題はないものと確信している。
+
+ (d) 私はパッチをレビューし適切であると確信している一方で、あらゆる
+ 状況においてその宣言した目的や機能が正しく実現することに関して、
+ いかなる保証もしない(特にどこかで明示しない限り)。
+
+Reviewd-by タグはそのパッチがカーネルに対して適切な修正であって、深刻な技術的
+問題を残していないという意見の宣言です。興味のあるレビューアは誰でも(レビュー
+作業を終えたら)パッチに対して Reviewed-by タグを提示できます。このタグは
+レビューアの寄与をクレジットする働き、レビューの進捗の度合いをメンテナに
+知らせる働きを持ちます。そのパッチの領域に詳しく、そして、しっかりとした
+レビューを実施したレビューアによって提供される時、Reviewed-by: タグがあなたの
+パッチをカーネルにマージする可能性を高めるでしょう。
+
+15) 標準的なパッチのフォーマット